テスター産業のポリシー
*引き続きお叱りを受けそうな内容・表現が含まれますがご容赦ください。
ここまでは、何となくサクセスストーリーでした。ここからは涙無しでは語れない話。書きながらホントに涙出ました。乗り越えたからこそ、弊社はこのようなスタンスで皆様に関わり続けます、というお話。
34歳、2009年、4代目代表取締役に就いた私を取り巻く経営環境は大変厳しいものでした。ヒト&カネ。
まずはヒトについて。人は宝。弊社で働く人は全て正社員です。就業規則・賃金規定など、常に最新情報を仕入れて、全ての社員が安心して楽しめる環境を提供しています。
28歳、入社時、私の年齢に一番近い人、AROUND 50sが2人、その上はALL OVER 60s。今日も明日も昨日の延長と考え、変化を嫌う人しかいなかった。何を言っても聞き入れられず苦しんだ。頭によぎる転職失敗、次こそ…。ダメだ。負け癖が憑いてしまう。敵はたったの6人。大企業で働く中で、不公平、理不尽が嫌で辞めてきた。一人毛色が違ったってイイよね。目も届かないだろうし…、楽しくのびのびやろう。
まずは営業。起動音ぶぃーん、と10分ほど掛かるのんびりPCでも負荷の少ない自動見積書作成マクロを作成して、営業活動の時間を確保。先輩方が行きたがらない四国・九州、海外などを中心に活動。結果、2年目で営業成績ぶっちぎーりのトップ。
勢いをつけて設計。高ぁーい壁、「テスターの壁」。先輩方もきっとこの壁を越えられなかったのだろう。「やったことがない。できない。やらない。そんなことしなくても食っていける。」の連発。メカトロ?「そんな趣味はねぇ。」聞いた私が気まずくなる反応。これでは取り残される。R&D部門の新規装置が主な顧客層。彼らより先んじなければならない。自分の顧客向けを中心に、新規設計品はナウい機構やメカトロをどんどん取り込んだ。イイモノを見ると人は変わります。営業、工場のおじさんたちは、どんどん吸収しました。こんなモノできるよね、こんなことできるかな、活気が出てきました。「テスターの壁」撤去!
資金繰りが改善して、人材募集。定年を迎える社員が何人もいたので、製造に一人、QCに一人、購買に一人…。あっという間に若返り。働き方云々が叫ばれる昨今、今ではどの業務も「この人がいないとできない」が無くなり、いつでも誰でも休暇を取れるようになった。拘束時間キッチリ9時〜17時。残業ゼロ。真っ白な会社になりました。私の重任以来、親の跡継ぎで一人の退職者を除き、退職者はゼロ。
教育にも熱心に取り組んでいる。年々増員中ですが少人数(現在17人)ですから、一人ひとりに高い能力が必要です。仕事終わって、かえってふろはいってめしくっててれびみてねる。そんな社員は一人もいません。技術系セミナーや経営セミナー、ウェビナーに参加したり、資格取得、書籍・デジタル媒体購入など、一人ひとりが経営者の自覚を持って仕事に取り組んでいます。 「寝る時間の次に多い時間は仕事。健康で楽しく。」をモットーに。健康第一、仕事は楽しくなくちゃダメです。真剣に、厳しく、そして楽しく、常に自己研鑽に励んでいます。
最後にカネ。膨大な借入金、苦しい資金繰り。創業40年以上の信用で約束手形を振り出し、売上の回収も特に大企業が多かったせいもあり、約束手形・期日払いが大部分を占めていました。約束手形…、ダメ、ゼッタイ。振り出し側も受け取り側も資金繰り悪化の根源です。受け取り側は請求した額が受け取れない、支払う側は請求された額以上の支出となります。無い袖を振って経営しているようで、返済のために継続的に借入をしていた。
一念発起!取引条件変更要請!資金繰り改善のために取引先にお願いしました。同時に一切の約束手形を振り出しも止めました。サイトを考えると半年耐えれば一巡だ。今ならイケル…甘かった。取引条件変更に応じてくれる取引先はポツポツ、1割もなかった。大企業は動かない。借金取りの夢を見たくなくて眠らない日も多々あった。血尿血便の方が気楽だった。接待で朝まで飲んでも酔わないし、眠らなかった。
リーマンショックからの回復基調に乗じて、弊社も好景気。弊社は月末締め翌月末現金払い。ちゃんと半年後に現金が底を尽きた。売上成績があまりに良く、嬉し悲し資金繰りが悪化。派手にアナウンスしてしまったばかりだ(別紙参照)。後には引けない。もう借入もできない。のーぜい?納税!?NO-MONEY!現金が無い。最高益なのに現金が無い。
何度も繰り返される役員会、通称「いくら出せる?会」。足りない。大きな受注の仕入れの支払いが2か月後だ、資金ショートだ。その売上の入金はいつだ。懇意にしている会社に入金していただいた。余裕はないはずだった。後日談「借入して払った。」、泣いた。今でも一緒に飲んでいると話題になる。今でも泣いてしまう。
恐々と資金繰り表を更新していく。こんな日々が1年以上続いただろうか…。ある時の「いくら出せる?会」で、最古参の役員が完全にキレた。積み立てた生命保険を解約して入金。「もう俺には何も残ってねぇ。家に来い。何でも持っていけ。それとも、家、売るか?」。法人として、一命を取り留めた。しかし、その後も打ち寄せる資金ショートの波。情けなくて涙が止まらない。ある銀行にて。融資担当者にノーと言われていたが、9時開店と同時に強引に応接室に上がり込み、計画書を渡してから頭を下げ続けた。もう帰って欲しかったんでしょう。支店長「頭上げてください。私の裁量ではこれが限界です。」と手形を頂戴した。部屋を出ると閉店していた。
こんな話はいくらでもある。倒産、夜逃げ、●●…。こんな思いしたくない、させたくない。価値のあるモノ・サービスを売って、対価を支払う。WIN-WINでなければならない。買い手と売り手は対等な立場であるべきだ。だから弊社は価格交渉には応じないし、値引き交渉はしない。
テスター産業の全ての取引先が利益を享受できますように。弊社の永遠のこだわりです。