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テスター産業はこんな集団です(回顧録風)


*一部、お叱りを受けそうな内容・表現が含まれますがご容赦ください。

テスター産業について、私、中山がご紹介します。製造業に従事する方々にとっては、面白くて役に立つお話だと思います。長文ですが、是非最後まで読んでください! 28歳、2003年入社時、社員6名の集団でした。東京・神田に営業事務所(20坪)を、埼玉・三芳に工場(36坪)を構えていました。工場に設計は1名、ドラフターに向かって製図してました。製作は全て外注。協力会社で加工・仮組立してもらって入荷、電気屋が配線して試運転。最後の仕上のみを行っていました。工作機械と呼べるモノは…、ボール盤が1台。笑劇的なことに、神田の営業事務所にはPCが1台のみ。みんなで隙を見ながらメール返信してました。見積書は…、それぞれの机で手書きしてFAX!当時の社長にお願いして、隣駅の秋葉原でノートPCを1台、ちゃっかりCADソフトも買っちゃいました。「PCって高いね」って言われましたが、社長、ごめん。CADが高かったんです。

さて、私はというと、学生時代はロケット工学専攻。自動車・バイクを乗り回したり、改造したり。機械好きが高じて機械メーカーに就職。テスター産業は転職入社。前職では主に自動車、芝刈り機や除雪機などの部品設計、試作、実証実験、量産立ち上げ、性能評価、不良調査、恒久対策などを手掛けてきました。 テスター産業入社当初、人と話すことが苦手な私が営業業務で日々汗や涙、不満やら、接待翌日は…いろんなモノをたれ流して必死に働きました。日本全国、海外、飛び回って営業活動、納品立ち合い運転、修理、メンテナンス…。問題勃発多発連発乱発YO。設計1名の負担を考えれば怒れませんが、図面精度、部品精度が悪かった。工場での試運転を経て、調整と称した、いっぱいヤスリ掛けしたモノ、ちょっと穴を大きく加工したモノ、外注が仮組時に手直ししちゃったモノなどが多数存在してました。部品、自社で作らなきゃダメだよね。



34歳、2009年、大きな転機が訪れました。リーマンショックで大不況の中、一番若い私が4代目の代表者となりました。学校や町会などでやりたくない委員を押し付けるあの感じで。でも、本心では「オラ、ワクワクすっぞ」。サラリーマンの憧れ…ではないです。大きなリスクも負いますから。よくも貸し付けたと感心するほどの膨大な借入金…。若かった。バカかった。それでも技術的なバックボーン、経験には自信があった。やり方次第で勝ち目はあると。弊社の客先は主に大企業のR&D部門。大部分が世の中に無い試験装置の受注生産。しかも完成品。利益率の良い仕事であるはずだ!さあ、勝負!!



ほとんどの場合、顧客からの要求を社内外の関係者と打ち合わせをして、図面化・見積提示となる。製作中は外注業者や設計と密な打ち合わせが必要で、試運転含めて納品するまでに工場や外注先に何度も何度も往復。まず、ここの効率化を図るべく、現在の埼玉・三芳町、一拠点に集約することに。引っ越し先は157坪あるが移転後、半分以上は遊休状態。他の役員には家賃は以前と同等だから、広いところがいいよね、と。数か月後…。削るぞ!作るぞ!!他の役員の反対を押し切り、M&A。機械加工会社を吸収した。営業・設計・製作が同居することが大きなシナジーを生む。新たなテスター産業の誕生だ。


入社3年目の営業君に私の担当顧客を託し、同年入社の設計君と共に、私も設計メインに。製造が同居することで、加工性の良し悪し、材質の選定、組立性、メンテナンス性など、図面の合理化が進み設計精度が飛躍的に向上した。作り切れないほどに業績はうなぎ登り。最高益を更新し続けました。次の一手は念願のメカトロに強い技術者の獲得!電気設計、ソフト製作、配線作業などもできるように。これで、外注することなくコア技術を社内で全て賄えるようになった。


内製化。ただ社内で作ればいいというものではない。工作機械は汎用機オンリー。作れないモノ、外注した方が合理的なモノがたくさんあった。最小限の投資にして最大限の効果を。弊社には最適な多品種少量に特化したNC旋盤、NCフライスを購入。若い製造エンジニアも増員した。製造側にこそスキルアップを。熟練工による多能工育成、組立なども経験させ加工も工夫できるように。さらにセミナーに参加して理論武装。また、営業員にも校正作業やサービス作業を叩き込む。少数精鋭、社員全員がものづくりに精通して、とってもマッチョなキレてる技術集団として成長を続けています。 その成果、製造業としては驚異的な利益率を実現できるようになった。『ピー』%超えるの!?違いますよ。そんなもんぢゃない。当初の思惑通り、完成品メーカーは強い!!!


高精度な部品が製造できるようになり、高精度3次元測定機を導入、さらに組み立て精度を測定するための3次元測定機も導入しました。これらにより、製品機能の均質化が飛躍的に向上しました。また、鋳物や複雑形状で測定が難しい部品の測定が可能な3Dスキャナー・3D CADデータ変換装置も導入しました。もちろんリバースエンジニアリングや研究開発などにも役立ちます。 シャーリング、キーシーター、ラジアルボール盤、溶接機、直彫り彫刻機、レーザー彫刻機などを保有しています。 受託試験やデモ運転時に使用する電子天秤、乾燥炉、恒温恒湿槽、超音波洗浄機なども保有し、万全のサービス体制でR&D、QCに役立てていただいてます。その時、その場で必要な部品・治具類は製作して試すことができます。 思い付いちゃったら何でも作って試してみましょう!案外簡単にうまくできたり、逆にうまくいかないことが分かったり、得られるものは必ずあります。お手伝いはお任せください。


最後に、価格の話。「材料費が上がったから。円安だから。」を常套句に値上げが乱発してます。材料費が下がったら、円高になったら、値下げします??しませんよね。新聞でよく目にする「値上げの効果で増益」。取引先に値上げ交渉して増益しちゃダメでしょ。上がった分、負担してくれ、なハズですよね。材料費が製品原価に占める割合、ご存じでしょうか? 弊社では効率化で対処してます。マシニングセンタを2024年6月に導入しました。特に定番製品の部品製造の原価を低減することで全ての製品の値上げを回避しています。定番製品ですから、いつもの値段で。このような形で、利益を適切に顧客に還元しています。 これからも、進化し続けられるよう努力をします。どうぞ、宜しくお願いします。


代表取締役 中山 信